IMG_3161
堺市役所地下にある森のキッチンさんにて、
きらり会を開催しました。

今回のテーマは
学習障害と合理的配慮について。

IMG_3159
学習障害、自閉スペクトラム症の当事者
吉田伊織さんをゲストにお迎えしました。

高校三年生の18歳
春からは大学生になられます。

東京大学が主催しているDo it JAPANの
2016年スカラーでもあります。

FullSizeRender

書字障害が顕著なため
学校生活では様々な合理的配慮が必要でした。

法律を理解し
自己権利擁護、合理的配慮を求めて
学校側と建設的な対話をされてきた経験や
配慮の求め方などをお話いただきました。

また、日常生活に役立つツール紹介もありました。

書かなくてもいいように
ハンコを持ち歩いて活用したり
タブレットを活用したり
パソコンソフトを利用したり、
工夫することで豊かな日常を過ごすことができるお話をお聞きできました。

「さよなら手書き」ソフト
「ワンノート」ソフト
使い方もデモンストレーションしていただきました。
ぜひ活用していただきたいです。

小学、中学、高校と不登校の経験、
学校に行かなくても高卒認定試験で大学進学したこと、など
学ぶことがたくさんありました。

学校に行かない選択、
学校をどう利用するか選択し、
人生の通過点としてどう考えてみるか?
も大切なことだと思います。

1時間の講習はとても勉強になったと
参加者さんから感想をいただきました。

IMG_3148
休憩中は
学習障害の本を読んだりして
対話していました。

IMG_3169

後半は質問会。

講習内容や日々のことなど、
ご質問にお応えしました。

吉田さんは法律や数値的なことも交え
お話してくださるので
具体的でわかりやすいお話でした。

18歳とは思えない内容で
わたしも感心するばかりです。

IMG_3154

支援者さんが多かったこともあり、
学習障害のお子さんへの学習支援方法も
お話させていただきました。

吉田さんは実体験から
わたしは学習指導の立場を交えてお話しました。

学習障害のお子さんは
個々の理解の仕方を把握してあげることで
学力がちゃんとついていきます。

大学進学も
マークシートやパソコン使用できれば
問題ありません。

指導には、個別指導がとても重要です。

2019年冬から事務所内で
本格的に学習塾を開始し、
学習障害の生徒をメインで指導しています。

小学生から高校生までいますが
指導方法はあまり差がでていません。

配慮事項としては、数点のみ。
手書きで把握できる範囲が異なったりするので
個別に手書きの方法を変えたり、
図や絵を駆使して教えたり、
文字の見せ方、大きさを工夫したり、
読みやすい方法を探したり工夫したりするのみ。

あとは、個々の思考回路に合わせて教えるのみです。

みんな共通としていることは、
・学校の指導手順とは離れること
・カテゴリー分けを明確にすること
・大きなことから、順序立てて小さく教えること
・理解スピードを確認しながら、個々に合わせて指導すること

例えば、漢字。
わたしも読めるけど書けないのですが、
やり方次第でできるようになります。

・部首ごとにまとめて覚えていくこと
・暗記することが目的ではなく、「理解」することを目標にすること
・「読み」「意味」を重視すること
・きれいに書くことは重視しないこと
(その子なりの丁寧さ重視)
・何度も書くのではなく、1回を大切に書くこと
(繰り返し書いても暗記できません。ただの作業になるだけです。)
・意味を理解し、熟語で理解を深めること
などなど、
やり方次第なんです。

あとは、
学年に合わせた指導をするよりも
15歳、もしくは17歳のときに
どのくらいの学力がついていることを目標にして指導するか、が重要だと思っています。

三年生だから、
「三年生の指導要領に沿って理解しなければいけない」
というのは
大人の勝手なこだわりと思い込みです。

どんな人生のために
どんな働き方をし、
どんな技術を身につけるために
どんな進路にしていくのか?

学校は通過点でありゴールではないこと
学校にいく目的を「学力だけにしない」こと
学校にいかなくても進学するルートがあること
利用できる支援やサービスをしっかり利用すること

最も重要なことは
「楽しく過ごす」こと

楽しく学び
楽しく遊び
楽しく歩むこと

大人がしてあげられることは
その手助けです。

大人のこだわりを押し付けることではなく、
大人が決めたルートを進めることでもありません。

支援級、支援学校、
通信高校、高卒認定試験など
大いに活用していきつつ、
希望の大学、専門学校などに進学し、
やりたい仕事に就けるように支援する。

どんな大人になり、
どんな人生を歩めるか、
子どもが選択できるように支援することが
わたしたちの支援目標だと思います。

そこからズレた支援がたくさんあります。
ヤキモキすることも多いです。

こういう機会を通して
考えながら進めてもらえたらいいな、と思います。

FullSizeRender
堺での開催にあたり
ご協力いただきありがとうございました!

こういった講習会を、
2020年度は京都市でやろうと思っています。

他地域の方は、
オンライン受講ができるようにする予定で
現在調整しています。

・療育支援者向けの講習会
・コミュニケーション講習会
・学習に関する講習会(朝倉が講師)

講師は、プロをお迎えします。
現場で実践されている信頼している方にお願いしています。

具体的日程は4月ごろにはお知らせできるかと思います。
Facebook、ブログを中心に告知しますので
ぜひ、フォローなどお願いします。